「地域で学び、組織を強くするー第8回 日本在宅医療連合学会 地域フォーラムに参加しましたー」
- 2026年9月16日
- 活動報告

2026年9月13日、宇都宮で開催された「第8回 日本在宅医療連合学会 地域フォーラム」に参加しました。
今回のテーマは、「すぐそこにある危機 ~災害もハラスメントも地域みんなの課題」。
当日はフォーラムへの参加に加え、在宅医療専門医を目指す医師を対象とした講習会の運営にも携わりました。
講習会は、日々経験した症例や出来事を振り返り、「何を考え、何を学び、次にどう生かすか」を振り返るものでした。
講習会を運営しながら改めて感じたのは、学ぶことそのものだけでなく、学びを他者と共有し、組織や地域に持ち帰ることの大切さでした。
その意味でも、今回の地域フォーラムは、当院の診療や組織運営を見直すきっかけになる学びが多くありました。
私自身が特に印象に残ったテーマの一つが、サイバーセキュリティです。
ランサムウェアをはじめとするサイバー攻撃は、大病院や大企業だけの問題ではありません。
在宅医療機関にとっても、規模にかかわらず備えておく必要がある課題だと感じました。
在宅医療では、電子カルテや診療情報、訪問スケジュール、多職種との情報共有など、多くの業務でITを利用しています。
そのため、システムが使えなくなることは、単なる「パソコンの不具合」ではなく、診療を安全に継続できるかどうかに関わります。
当院でも、「起こり得ることを前提に備える」という視点で、情報管理やセキュリティ対策を見直していく必要があると感じました。
もう一つ、当院の福祉士とも話した内容でもあるのが、ハラスメントへの対応です。
医療や介護の現場では、職種や立場によって、強い言葉や要求を受けやすさに違いが生じることがあります。
そこで大切なのは、それを対応した職員個人だけの問題にしないことです。
「何が起きたのか」を共有し、必要に応じてクリニック全体で対応することが重要だと感じました。
患者さんにとって安心できる医療を続ける為にも、そこで働く職員が安心して働ける環境を作ることは欠かせません。
サイバーセキュリティとハラスメントは、一見するとまったく異なるテーマです。
しかし共通しているのは、個人の注意や努力だけに任せるのではなく、組織として備える必要があるということです。
そしてこれは、専門医講習会で大切にしている「経験を振り返り、学びを次の行動につなげる」という考え方にも通じます。
問題や気づきをその場限りで終わらせず、振り返り、共有し、仕組みに変える。
この積み重ねが、医療の質だけでなく、組織そのものを強くしていくのだと思います。
外の世界を知り、他の医療者と学び合い、「自分たちの診療や組織は、本当にこれでいいのか」と見直す機会を持つことにも大きな意味があります。
当院では、これからも院外で得た学びをその場で終わらせず、患者さん、ご家族、そして働く職員にとって、より安全で持続可能な在宅医療の仕組みへと繋げていきます。
院長 竹田亮平
